Jevをゲームの判定役にしてみた。「AIに伝われ!」のしくみと費用

「折りたたみ傘」を、30文字以内でAIに説明してください。ただし、「傘」「雨」「濡」は使えません。
名前が使えなくなるだけで、ちょっと考えますよね。制作中のテストで通ったのは、この19文字でした。
日差しを避けて手元の棒で頭上に広げる布
画面に出た予想は「『折りたたみ傘』かな?」。1回でクリアです。一方、別のテストで「持ち運べるもの」と入れると、「まだ、ひとつに絞れません。」と返ってきました。
たしかに、持ち運べるものはいっぱいある。形や使う場面まで入れると伝わる。同じモノを見ていても、選ぶ言葉で結果が変わります。

こんなふうに言語化力を試せるゲーム、「AIに伝われ!」を作りました。無料で、登録せずに遊べます。
今回は、Jevをゲームの「判定役」に組み込んだ実例として紹介します。Jevにどんな情報を渡し、何を判断してもらうのか。ゲーム側では何を処理し、1回の判定にいくらかかるのか。実際に遊べるものを通じて、使いどころが伝わればと思っています。
名前を使わず、30文字でモノを伝える

画面には3Dのモノが出てきます。くるくる回して眺めながら、名前や禁止ワードを避けて説明する。AIに伝わらなければ、言い方を変えてもう一度。チャンスは各ステージ3回で、全部で6ステージあります。AIMARKのカワウソ、AIMAも登場します。
最初にCodexへお願いしたのは、「AIMARKの集客や興味につながるゲームを作りたい」ということでした。自分が運営している、AIを仕事に使うマーケターのコミュニティを知ってもらいたかったんですよね。
でも、せっかくなら、やってワクワクするものがいい。AIを契約していても、何をやったらいいかわからない人はいる。まず手を動かして、「こんなことできるんだ」と思える入口を作りたかった。
それで、30文字を入れて、返ってきた予想を見て、もう一度考える。この小さなやりとりで遊べる形にしました。
見た目を作り込んでも、判定が変だと気になる
今回、画面にはThree.js、言葉の判定にはTypeSafeのAIモデル「Jev」を使っています。
最初は「WebGLとか、Three.jsとか使って、とにかくハイクオリティのやつを作ってほしい」と、見た目への注文をしていました。ところが試作を触って、次に出たのがこの言葉です。
まず、中身の精度がぶっ壊れてる。Jevを使って欲しいなこれ
自分の注文もだいぶ雑ですが、触ってみると気になるところが出てきます。3回しか挑戦できないので、納得できない判定が続くと遊びにくい。そこで、判定をJevへ切り替えました。
Jevには、プレイヤーの説明と、どのステージでも共通の候補を渡しています。現在のお題の正解は渡さず、「この説明なら何に見えるか」を選んでもらい、ゲーム側で答え合わせをする仕組みです。画面の返答文も、その判定に合わせて用意しています。
Jevの公式紹介を見て気になった人にも、自分で文章を入れて試せるものを渡したい。「Jevを使ったゲームとしてみんなが触れるようにしたい」とお願いして、公開しました。
「いくらかかる?これ」を計算してみた

作っている途中で、自分でも「いくらかかる?これ」と聞きました。人が遊ぶたびにAIを呼ぶので、ここは知っておきたかった。
9月21日の記録では、1回の判定に使った入力は1,682トークン。AIが扱う文章の量で、プレイヤーの30文字に加えて、判定の指示や候補も含んでいます。Jev 1.13の公式料金は入力100万トークン当たり0.042ドル、出力は無料。1ドル150円で計算すると、判定1回は約0.011円です。図は、1,000人が6問に各1〜3回ずつ回答した場合の試算です。
これは1回の実測と、2026年9月23日に確認した単価を使った見積もりで、実際の請求額ではありません。入力の長さや再プレイで変わります。制作に使ったCodex・画像生成・人の作業時間、サイトの配信費、税は別です。制作費の総額は今回のゲーム分として切り分けられていません。配信には既存のVercelを使っていますが、アクセスが増えれば追加費用はあり得ます。
少なくとも、Jevで判定する部分は、遊ぶ人数から費用の目安を出せました。これなら公開したあとも、どれくらい使われたかを見ながら考えられます。
クリアした言葉はブラウザに残す

あとから「あれ、なんて説明したら伝わったんだっけ」と見返せるように、各ステージをクリアした言葉と挑戦回数、日時を、使っているブラウザに残すようにしました。記録用のデータベースは追加していません。別の端末には引き継がれず、ブラウザのサイトデータを消すと記録も消えます。
クリアしたステージごとにXへシェアできて、自分の言葉を投稿文に入れるかも選べます。6ステージ分と全クリア用の共有画像は、あらかじめ7種類を用意しました。シェアするたびに画像生成AIを呼ぶことはありません。
保存や共有にかかる処理は、これで軽くできます。回答の判定時にはサーバー経由でJevへ説明文を送りますが、成功した言葉の記録は自分のブラウザに置いておく形です。
こういうAIの使い方を、もっと見せ合いたい
AIMARKでは、毎週AIを使うお題を出して、作ったものを見せ合っています。
ひとつ作れたら、次に試したいことが出てきた。その様子を他の人も見られる。こういうことが起きるのが面白いんですよね。同じChrome拡張でも、自分の仕事や不便に合わせると、できるものが変わります。
自分も今回、「見た目はこうしたい」「判定が気になる」「保存もしたい」と、触りながら直しました。Jevが気になったところから、誰かに遊んでもらえるものになった。次は、遊んだ人がどんな説明を入れたのかも見てみたい。
Discordでは、作りかけのものを見せたり、仕事で迷っていることを相談したりできます。「これ、どうやって作ったの?」「自分ならこっちを試したい」。生成AIでできたことを持ち寄って、そういう話をしたいんです。
まずは「AIに伝われ!」で、言語化力を試してみてください。名前を使わずに、何回で伝わるか。
遊んでみて、こういうAIの実験をもっと見たくなったら、AIMARKの無料ニュースレターへ。AIとマーケティングの話題や、試してわかったことを届けています。
自分も作ったり、誰かと話したりしたい人は、AIMARKの参加案内も見てみてください。会費は月額5,500円(税込)で、別途、ChatGPTなどいずれかのAI有料プランの契約が参加条件です。ゲームとニュースレターは無料です。
